女史(じょし)とは、学者、芸術家、政治家などの社会的地位や名声のある女性に対する敬称である。

もともとは中国古代の女官名である。日本でも女官の一つ(令外官)で、内侍司に属し文書のことをつかさどった。平安時代中期以降は博士命婦と呼ばれるようになった。国語学者の大野晋は、「『女史』という言葉はもともとは中国で女性の書記を表した。日本では、明治時代に、学者や文筆活動をする女性が出てきて使われ始めた。明治時代は、学問をしている女性は傑出しているわけで、女性を一人前に扱う、ということから出てきている。尊敬語だが、『女だから』という思いは入っている」と述べている。

共同通信社の『記者ハンドブック』では1997年発行の第8版からこの言葉が新たに「差別にあたる言葉」として記載された。第13版(2016年)でも「差別語、不快用語」欄において「女史→〇〇〇〇さん」との書き換えが例示されている。

時事通信社の『最新用字用語ブック』第7版(2016年)には「女史〈使わない。「〇〇さん」「〇〇氏」とする〉」と記載されている。

三省堂の『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』(2020年)では、「女史→〇〇さん(具体名で書く)*男性側に対語がなく、女性を特別視した表現」と書かれている。

脚注

関連項目

  • ミズ (敬称)
  • マダム

女史箴图 古代后宫模范女性图鉴_班婕妤

「女史」(じょし)の意味

女史(古代女官名) 搜狗百科

【读书】女性史 知乎

ArtStation 女史