『ニール・ヤング』(Neil Young)はカナダ/アメリカのミュージシャンであるニール・ヤングが、1968年にバッファロー・スプリングフィールドを離脱したあとにリプリーズ・レコードからリリースしたスタジオ・アルバム(RS 6317)。
1969年1月22日にリリースされ、'CSG mix'とも呼ばれた。一部をリミックスされて1969年の晩夏に再リリースされたが、Billboard 200にチャートインすることはなかった。
リリース履歴
最初にリリースされたアルバムではHaeco-CSGを用いてマスタリングされていた。この技術はステレオレコードにモノラル用レコードプレーヤーとの互換性を持たせるものだが、音質を劣化させるという副作用があった。ヤングは最初のリリースに不満を持っていた。「最初のミックスは酷いものだ。これの響き方が嫌で、自分の声を埋めようとしてた」とキャッシュボックス誌1969年9月6日版で語っている
そこで、アルバムは部分的にHaeco-CSG処理を通さずにリミックスされて再リリースされた。オリジナルのアルバムのほとんどの曲は、Haeco-CSG処理が施されていなかったのでそのまま再リリースされた。リミックスされたのはマスターテープが置き換えられた「もし、彼女が今夜来たならば」、「ヒア・ウィー・アー」と「人生の地点」の3曲だけだった。"Neil Young" という文字がジャケット上部に追加されたのは、オリジナルジャケットの在庫を使い切ってからなので、オリジナルのジャケットで2種類のミックスが販売された。最初のミックスのレコードは今では非常に珍しく、リミックスが曲、特に「ヒア・ウィー・アー」を劣化させたと信じるニール・ヤングのファンの間で非常に人気がある。
『ニール・ヤング』は、ニール・ヤング・アーカイブのオリジナル・リリース・シリーズの一環としてリマスターされ、2009年7月14日にHDCD方式でエンコードされたコンパクトディスクとデジタル・ダウンロードとしてリリースされた。また、2009年12月にオーディオマニア向けのビニール盤が、個別に、または公式ウェブサイトから入手できるヤングの最初の4枚のLPのボックスセットの一部としてリリースされた。このボックスセットは1000せっと限定だった。リマスター版は個別のCDとしてリリースされたほか、2009年に米国で、2012年にヨーロッパでリリースされたCD4枚組ボックスセットの『オフィシャル・リリース・シリーズ ディスク1-4』のディスク1としてもリリースされた。CSG処理アルバムと非CSG処理アルバムの両方のハイレゾディジタルファイルは、ニール・ヤング・アーカイブのウェブサイトの購読者が利用することができる。
評価
ローリング・ストーン誌は「多くの点で、このスプリングフィールドのサウンドの楽しい再現が、新しい方法で行われた」と書いている。オールミュージックの回顧的レビューは「ヤングのソロキャリアの、不揃いで控えめな導入」と表現した。
収録曲
特記あるものを除き、作詞作曲ニール・ヤング。「オールド・ラフィング・レディ」、「ウィスキー・ブーツ・ヒルのストリング・カルテット」および「愛し続けていたのに」の編曲はヤング、ジャック・ニッチェおよびライ・クーダーが担当。演奏時間は1969年のオリジナルのレコード(カタログ番号 RS 6317)準拠。
参加ミュージシャン
- ニール・ヤング – ボーカル、ギター、ピアノ、シンセサイザー、ハープシコード、パイプオルガン、制作
- ライ・クーダー – ギター、制作
- ジャック・ニッチェ – エレクトリックピアノ、編曲、制作
- ジム・メッシーナ、キャロル・ケイ – ベース
- ジョージ・グランサム、アール・パーマー – ドラムス
- メリー・クレイトン、ブレンダ・ホロウェイ、パトリス・ホロウェイ、グロリア・リチェッタ・ジョーンズ、シェリー・マシューズ、グラシア・ニッチェ、 – バッキング・ボーカル
- 不詳 - トランペット、トロンボーン、テナー・サクソフォーン、フレンチ・ホルン、クラリネット、ティンパニ、ストリングス
- 制作
- デイビッド・ブリッグス – 制作
- デイル・バチェラー、ドン・ランディー、マーク・リチャードソン、ヘンリー・サスコウスキ – 技術
- リク・ペコネン – 編曲、技術
- ダニー・ケリー – 写真
- エド・スラッシャー – アルバムの美術監督
- ローランド・ディール – ジャケットイラスト
チャート
脚注
外部リンク
- 『ニール・ヤング』についての公式文書

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